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漫画やアニメが好きです。主にNARUTOを語っています。たまに二次創作もしてます。初めてきた方は「はじめに」を読んで下さい。 ※現在ほぼ更新停止状態ですが管理人は元気です。
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2015/12/20 (Sun)
今週疾風伝も超も見れなかった腹いせに小説更新。
原作寄りのリー→サクです。
私の考えるリーサクの全てを詰めた。満足。

サクラちゃん中心に考えるとやっぱりリーサクが一番幸せになれてたと思う。
外伝とBORUTO見てもそこは覆らない。
でもサクラの「サスケを幸せにしたい」って思いを無視できないのもまた
リーの長所だと思うから、リーサクはどうしても成立しないんだろうなと。
リーがいい男すぎるんだよなぁ。

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 最初に告白したときは、ハッキリと振られたのを覚えている。濃ゆいという、きっと女の子にとっては重要であろう理由。元々自覚はしていたことだから、ダメージはそれほどなかった。努力だけでアカデミーを卒業できたし、中忍選抜試験に参加することもできたのだ。諦めなければ、いつかは。そう思い、……何より、サクラさんの顔が頭から離れなくて。
 死ぬまで守ると、もう一度心の中で繰り返した。

 死の森の中。サクラさんはボクに笑いかけてくれた。ボクのおかげで、少し強くなれた気がすると。笑ったサクラさんは、他のどんな表情をしているときよりも綺麗だと思った。傷だらけで、せっかくの美しい髪もバッサリと短くなってしまって、それなのに守り切れなかったボクにお礼を言ってくれる。
 死ぬまで守ると、さらに強く心に誓った。

 サスケ君が里を抜けて、サクラさんは五代目様に弟子入りした。元々チャクラコントロールの素晴らしかったサクラさんは、すぐに頭角を現した。
 何度か、怪我を治してもらった。
 寸分のミスも許されないチャクラコントロールを完璧にやってのけるサクラさんは、美しさとカッコよさを兼ね合わせていた。
 チャクラを練ることすらできないボクとは大違いだと考えかけて、慌てて頭を振った。ボクには体術しかない。それでも、体術がある。
 体術だけでも大切な人は守れると証明しよう。

 サスケ君の始末許可が出た。
 ……サクラさんがサスケ君を好きなことくらいは気付いていた。
 サクラさんは、自分一人でナルト君を説得すると言った。何かを、覚悟している顔つきだった。四人一組が基本だとみんなに諭されて、同じ班だから一緒に行くと言ったサイ君にサクラさんは頷いた。あと二人、と、くるりと見渡したサクラさんは、「道案内に、キバ。ナルトのとこまで案内して欲しい」と言った後、ボクに向き直って、「リーさん、ボディガードお願いできますか?」と、少し、困ったように笑った。何か含みのある笑顔だったけれど、そんなこと、好きな人に指名された嬉しさに比べたら些細なことで、ボクは深く考えずに付いて行った。

 サクラさんはナルト君に告白した。ナルト君はサクラさんを怒った。サクラさんはそれにまた怒って、ボク達を連れて引き返した。
 サクラさんの顔は見れなかった。
 キバ君が主体となってサスケ君を探した。サイ君がサクラさんの本来の目的を告げて立ちはだかった。
「行くよ、リーさん!」
 ……頼られていると思ったら、嬉しくて。
 次にはもう、記憶がなかった。

 サクラさんが後で謝りに来た。本当に申し訳なさそうな、今にも泣きそうな顔をしていて、慌てて気にしてませんと叫んだ。サクラさんを恨めしく思うなどありえない。何か気にするとしたら、それはボクの力不足を、だ。サスケ君とナルト君のために、好きな人を殺す決意までした彼女を、一体誰が責められよう。
 ……サスケ君は、そんなサクラさんを見て、どう思ったのだろうか。

 戦争が終わって、サスケ君はまた旅立った。それでもサクラさんに本当の笑顔が戻った。笑ったサクラさんは綺麗だと、改めて思う。サクラさんを笑顔にしてあげられるのがボクじゃないことが、少し、悔しい。
 最近のサクラさんの美しさは、初めて会ったときを思い出させる。想い人に認められて、自信を持って、凛として前を向いている、あの美しさ。見るたびにハッとさせられるボクは、やっぱりサクラさんが好きなのだ。

 ボクは一つ、自分の考えに間違いがあったことに気付いた。「諦めずに努力を続ければ、いつかは」……これは、自身については間違っていない。でも、人については、そうでもない。自身の努力は、人の気持ちにまでは届かないことがある。努力が足りないなんて、そんな問題ではない。揺るがないその人の覚悟があまりに固くて、気持ちがあまりに大きくて、他人の干渉を受けないのだ。
 とても、美しいことだと思う。
 サクラさんは、これまで、ボクに振り向いてはくれなかった。そして、これからも振り向かないだろう。ボクが努力してきたように、サクラさんも努力してきた。自身の持つ赤い糸を、想い人と繋げようとして。きっとサクラさんの努力はあの人に届く。届かなくてはいけない。サクラさんが流した涙、重ねた修行、積み上げた覚悟、全部全部、届かなくてはいけないんだ。
 だってボクは、サスケ君ともナルト君とも違って、木ノ葉崩しの後も里にいた。ずっと見てきた。サクラさんの、血が滲むような努力を、ずっと。これが報われないのなら、ボクは一生立派な忍者になんてなれないに決まってる。

「サクラさん」
「リーさん! どうしたの?」
 ボクはアナタの隣を歩くことを諦めようと思います。想いを捨てるにはまだ時間が掛かるだろうけれど、一生出来ないかもしれないけれど、アナタに想いを告げることはもうないでしょう。
「最近、また美しくなりましたね」
「あははっ、お世辞言っても何も出ないわよ!」
 ほら、綺麗。笑ったアナタはなんて美しいのだろう。
「本当ですよ! ずっとサクラさんを見てきたボクが言うんですから、間違いないです!」
「……ありがとう、リーさん」
 ふわり。
 花が綻ぶようなその笑顔は、ボクへ向けられた物。
「……サクラさん、ボク、約束は守りますから」
 その瞬間わかったのだ。アナタの隣を歩くことを諦めて、その一番下に残った、消えない誓い。
 これが今からの人生、ボクがアナタへ向ける気持ちなんだ。

 え、と目を大きくしたサクラさんに、最大限の笑顔と共に。


「死ぬまでアナタを、守ります!」


end
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