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漫画やアニメが好きです。主にNARUTOを語っています。たまに二次創作もしてます。初めてきた方は「はじめに」を読んで下さい。 ※現在ほぼ更新停止状態ですが管理人は元気です。
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2015/05/14 (Thu)
クリパチです。

私の中でクリパチはやっぱ原点です。

まだ小学生だったあの日、訳も分からずやっていたサイト巡り。
突然の素敵サイト様との出会い。
始めて見る「クリパチ」という言葉。
「かっぷりんぐ」? 何それおいしいの? 状態だった私が
一気に何かに覚醒したあの小説……。
(残念ながらそのサイト様は閉鎖されてしまいましたが)

それから先はもう「何か分からないけどキャラの名前をくっつけたらこんな素敵な小説が読めるらしい」という覚えたての知識を引っ提げてネットやりまくりました。
うん、だから原点です、クリパチは。
ちなみにBLというものの存在はNARUTOで知りました←
DBで辿り着かなかったのは何でだろうな、今になって不思議。
魔師弟関連結構見てたのに……ホント何でだ。


注意事項。
・映画「F」のネタバレ含みます
・時期は「F」終了数日後
・ツンデレのツンが異様に少ない
・むしろどこにもツンがない
・砂糖を小さじ一杯でいいのに大さじ三杯入れた感じ

よろしければ続きからどうぞ。

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「ただいまー」
「お帰り。遅かったね」
 感情の薄い愛妻の声に、クリリンはニヤけながら「ごめんごめん」と返した。もし他の者が見ていれば、なぜそこでそんな顔になるんだと心底不思議に思ったことだろう。だが、クリリンからすればニヤけるしかないのである。他の者が聞けば冷たくも聞こえるだろう18号の声が、クリリンには確かな温かさを持って、下手をすれば愛を伝える言葉と同等の熱量を持って聞こえるのだ。もうニヤけるしかない。
「マーロン寝ちゃったよ」
「ありゃ、そりゃあ残念なことしたな。顔見てきていい?」
「手、洗ってからね。風呂の前にご飯食べるだろ?」
「おう、ありがとな18号!」
 確認を取りながらも、すでにクリリンの夕食の準備に取り掛かっていた18号にお礼を言って、手洗い場に行く。鏡にニヤけが収まらない自分の顔が映っていたから、無理やり引き締まった顔を作ってみた。が、5秒と持たずに笑いが込み上げてきてどうしようもない。

 寝室のドアをそうっと開けて、薄暗い中を抜き足差し足で愛娘に近付く。
「ただいま、マーロン」
 息の多い声で静かにそう言ってから、クリリンはその寝顔を見つめた。髪は妻に似たが、顔は多少自分に似てしまったか。女の子なんだし、全部18号に似てたらよかったんだけどな。考えながら、娘の頭を二、三回撫でる。
「クリリン、食事出来たよ」
 こちらも息を多めに、音量を落として、18号がドアの外から声を掛けた。クリリンは振り返って、逆光に立っている妻を見る。ああ、やっぱりキレイだなあ、18号は。オレはなんて幸せ者だろうと思考をふわふわさせたまま、クリリンは小さく返事を返し、寝室を出た。

 まだマーロンの食べられない物が多いから、クリリンの食事はマーロンの食事に二品程足したパターンが多く、全くの別メニューになることもしばしばだ。メインが肉と野菜であるのを見て、今日は後者だなと考える。
「マーロンの夕食は何だったんだ?」
「ホットケーキ。絵本で読んで、食べたいって」
 ほら、やっぱな。予想が当たったことに内心得意になる。
「それだけじゃ栄養がないから、すり潰した人参も一緒に混ぜて焼いたんだ」
「へー、うまそうだな」
「また今度作ってあげる。そのときはアンタも食べなよ」
 声のテンションはそっけない。だが、クリリンの顔はまたニヤけてきた。浮かれた気持ちをそのままに暖かい夕食をかき込み、あれがうまいこれがおいしいと18号の料理の腕をほめちぎる。18号はその度に他人事のような返事を返す。クリリンは更にニヤける。マーロンがいない分、いつも以上にエンドレスだ。

 食事が終わり風呂にも入って、リビングで少しのんびりしていたところに、18号が話を振ってきた。
「アンタ、表情のギャップが激しいんだよ」
 へ? と、間の抜けた声しか出なかったクリリンに、18号が続ける。
「あたしと二人のときはいつもデレデレしてて、マーロンといるときは落ち着いた優しい顔。仕事に行く前はあんなだし」
「え、あ、あんなって……?」
 何か変な顔でもしていただろうか。クリリンは少し身を強張らせる。18号の前でニヤけている自覚はあるが、あとの表情は無意識だ。
 18号はそんなクリリンを見て、視線を逸らして無感情な声で言った。
「……仕事に行く前のアンタが、本当にいい男だなって言ってんの」
 ……身を強張らせていた。緊張していた。だから、クリリンは耳から入った情報を咀嚼するのに数秒を要した。
「……え、ええ!? 18号さん、それって……!」
 理解すると同時に、ぶわっと顔の体温が上がるのが分かった。反して18号は大して照れていないらしい。いつものクールな顔つきである。
「ああ、でも最近一番かっこよかったのは、フリーザってのと戦いに行く前の顔かな」
「ちょっ、待って!!」
 今度はハッキリと「かっこいい」と言われて、クリリンはもはやキャパオーバー寸前である。18号がこんなに素直に自分を褒めることなど未だかつてあっただろうか。いやないと反語で返したい。心臓の音が速くなっているのを全身で感じる。沸騰しそうな顔と気分を深呼吸して何とか静める。
「え、えーと、すっごい嬉しいんだけど、一体どうして急に……」
 おずおずと上目で18号を捉える。18号は少し思案して、またそっけなく言った。
「仕事、何かトラブルでもあったんだろ」
「え」
「……お疲れ様」
 逸らしていた視線をクリリンに戻す。相変わらず感情はあまり籠っていない声だが、ここにきて初めて、18号の頬にほんのりと朱が差しているのをクリリンは見つけた。
 クリリンは何があろうとマーロンが寝る前に帰って、お互いにおやすみなさいと言うのが日課だった。それを可能にするのは勤務時間中のクリリンの真面目な態度や、地球人離れした戦闘力(もちろん軽い犯罪をしただけの者に本気で対峙することはないが)、逮捕への貢献度などの全てであった。今日マーロンが起きている時間に帰り着かなかったのは、仕事場でトラブルが発生したせいに違いないと18号は考えた。そして、事実その通りであった。
 クリリンの管轄の地域にある刑務所から、連続殺人犯が脱走した。もちろんクリリンの責任ではない。だが野放しにして帰るわけにはいかなかった。バレないように武空術を使った甲斐もあって、犠牲者が出る前に再逮捕に成功したのはクリリンの手柄だ。だが、マーロンが寝る時間には間に合わなかった。
「……あ、アハハ、……ありがとな」
 また顔に熱が集中していくのを感じながらクリリンは俯いた。唇が弧を描くのを止められない。かっこいいなんて、普段は絶対に言わないこと言ってくれたのは、自分を慰めてくれるためだった。ああ、きっと一緒に戦ったことのあるみんなが、この優しさを知らないんだ、と思う。みんな、こんなに優しいこの人を知らないんだ。オレに向けられる優しさを、オレだけが知ってる。これ以上の幸せなんてない!



 幸せと嬉しさとで真っ赤になって震えているクリリンを見て、18号はこの顔も好きだなと心の中で呟いた。

 クリリンの前で言わないだけであって、クリリンが家を出て行った後ろ姿に「かっこいい」と口にしたことが一度や二度ではないということを、すでに両手に抱えきれない幸せに埋まっているクリリンが知る日はまだ来そうにない。

・END・

映画の「かっこいい」の衝撃と言ったら!!!
前回の映画はベジブル成分強めだったから今回悟チチかと思ってたら!
まさかのクリパチ!!!
もう本当にありがとうございます感謝の言葉しかないです。
というわけでこれでもかってくらい甘くなりました。
あと「18号さん」って呼ばせたかったので呼ばせてみたよ。
映画で聞いたときは「!?」ってなったけどよく考えたら萌えたんだよ。
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