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漫画やアニメが好きです。主にNARUTOを語っています。たまに二次創作もしてます。初めてきた方は「はじめに」を読んで下さい。 ※現在ほぼ更新停止状態ですが管理人は元気です。
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2015/10/10 (Sat)
※「途切れた想いと続く恋」シリーズ  ←クリックで飛びます
 読んで下さる方は上のを先に読まれた方がいいような気がします。
 でもぶっちゃけ下の注意事項さえ目を通して下さればそんなに問題ないです。

さて、ナルト誕生日おめでとう。日付け詐欺だとか言わなきゃバレないよね。
記念日に乗っかっただけのキバヒナ話です。

注意事項。
原作最終話・ザラスト共に完全無視
・ナルサク結婚してる
・キバヒナ付き合ってる
・今回はナルサクにも触れつつヒナタ中心に
・サクラ秘伝のヒナタの「サクラちゃん」呼び採用
・(このシリーズにおけるサスケの位置付けを決めていない)

よろしければどうぞ。無駄に長いのでお暇な時にでも。

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 起き抜けにカレンダーを見てふと気が付く。ああ、今日はあの人の誕生日だ。一とゼロが交互に並んだ、とても覚えやすい日付け。少し肌寒く感じる部屋の中で、ヒナタはほうっと息を吐いた。

「あれっ? ヒナタ!」
 朝の時間は過ぎ去るのが早い。時はすでに午の刻、何とは無しに通りを歩いていたヒナタは、澄んだ空気の中響いた声に振り返った。
「あ、サクラちゃん」
「どうしたの? 今日、任務は休み?」
「うん、今日は休み。明日から長期だから、今日の内に色々やっときたくて」
 買い物をしたり、甘い物を食べたり。そう言って少し笑ったヒナタに、サクラはぱあっと顔を輝かせた。
「ねぇヒナタ! 一つ向こうの通りに、新しい甘味処できたの知ってる!?」
 それだけでサクラの言わんとすることを理解したヒナタは、サクラと同じように顔を少し紅潮させた。
「わっ、私、そこ行ってみたくて、でも一人じゃ入りづらくて……!」
「私も私も! ねぇヒナタ、これから一緒に行かない!?」
「い、いいのっ?」
「私の方からお願いしてるのよ! よし、それじゃあさっそく行きましょ!」
 元々甘いモノ好きの二人である。これまでにも似たようなことはあったが、そこは優秀な忍であるが故の難点。どちらか(大概はサクラだ)が声を掛けたときにはどちらかが時間が取れず、声を掛けた本人すら急な呼び出しを食らうことがあり、どうにも上手くいかない。ここまでタイミングがいいのは初めてかもしれない。そう考えてヒナタが少し先を歩くサクラを見ると、丁度同じことを考えていたのだろう、「今日は運がいいわ!」と振り向きながら笑うサクラと目が合った。


「ん~! 美味しいー!」
「本当に……!」
 一口食べて、二人は各々表情を緩ませた。甘味処にはどうしても当たり外れがあるが、今回は当たりだ。値段は少し高いがそれだけの価値がある。二口三口とゆっくり味わい、お互いの品を一口ずつ交換し合い、今度来たときにはどれを食べてみたいと指を差し合った。
 ふと会話が途切れた瞬間、ヒナタは今日の日付けを思い出した。火影を目指すあの人は、誕生日だからと言って例外ではなく、今日も忙しいに違いない。そして今目の前に居る人は、あの人に一番近い人。代わりにお祝いの気持ちを伝えるのに、こんな適任者もいない。
「ねぇサクラちゃん、今日ってナルト君の誕生日だよね?」
 何でもない世間話の延長線。当然のようにそう思ってヒナタはサクラを見た。
「え、……そ、うね」
 だが、サクラの笑顔がどことなくぎこちない。どうしたんだろう、この話題は出してはいけなかったんだろうか。ヒナタは胸の内で少し思案したが、直接「何かあった?」と聞くよりも、自分の言いたいことだけ言ってこの話題を早々に切り上げた方がいいだろうと結論付ける。なにせ二人はこの前結婚したばかりなのだ。向こうから相談されるならともかく、こちらから踏み込み過ぎるのは気が引ける。
「ナルト君に、誕生日おめでとうって伝えてくれる?」
 ここでサクラが頷けばこの話題は終わりだ。次の話題を探しながら返事を待つヒナタに、サクラは意を決したように口を開いた。

「ヒナタ、まだナルトのこと好き?」

「え?」
 まさかそんな返しが来るとは思わず、とっさに反応できなかったヒナタはきょとんとサクラを見た。
「ねぇヒナタ、私ね、私は、ナルトと結婚して、幸せだわ。ナルトも今幸せに思ってるって断言できる。でも考えなかったわけじゃないのよ、ナルトがヒナタの想いに気付いていたら、もっと幸せになってたんじゃないか、って。それなのに私は、」
「さ、サクラちゃん! 落ち着いて!」
 堰を切ったようにサクラから流れ出した言葉は、ヒナタには懺悔のように聞こえた。とんでもないことだ。懺悔されるようなご身分ではない。と言うか、そもそも。
「あ、あのね? サクラちゃん。ナルト君は私の想い、知ってたよ?」
「……え?」
「私ね、告白したから。戦いの最中だったけど。それで、サクラちゃんと結婚する前に、ナルト君はちゃんと私に返事をくれたの」
「……それって」
「うん、振られたよ私」
 安心させるためににこりと笑いながら言うと、サクラははっと我に返ったように手元の甘味を一口食べた。
「……知らなかった」
「あはは、誤解が解けてよかった」
 ヒナタからすれば、ナルトがヒナタの想いを知っていようがいまいが、ナルト自身が惚れたサクラという人物と結ばれるに越したことはない。だがサクラからすると違ったのだろう。わかりきっていた告白の返事をわざわざしに来てくれたナルトにはその場できちんとお礼を言ったが、もう一度心の中で感謝を述べる。私がサクラちゃんを励ませたのなんて初めてだ。ナルト君のおかげで、いつも助けてくれるサクラちゃんに少し恩返しができた。
 残り少なくなった甘味を口に含む。たまの贅沢は大切だ。美味しい物は人を幸せにする。「おいしいね」と言ってサクラを見ると、まだ少しぎこちないが、いつもの笑顔が返ってきた。


「私ね、ヒナタに何も言わずにナルトとの結婚を決めたこと、後ろめたかったのよ」
 甘味処を出て目的地など無しに通りを歩きながら、サクラが話す。冷静さを保てていなかった先ほどとは違い、ぽつぽつと、思い出話とまではいかないが落ち着いた調子だ。ヒナタはサクラが一呼吸入れるたびに頷き返す。
「でも何て言ったらいいのかわからなくて、そのときにはもうどうしようもないくらいナルトのことが好きになっちゃってて」
「うん、そのとき言われても、私もどう返したらいいかわからなかったと思う。だから、サクラちゃんが考えてたこととか、色々、聞いたのが今でよかった」
 今、を多少強調したヒナタの顔を、サクラが覗き込む。
「今、って?」
 脳裏には数ヶ月前に付き合いだした元同班の彼の姿。新しく始まったこの関係について知っているのは、今のところ第八班のメンバーだけだ。言い触らすことでもないと誰にも知らせていなかったが、サクラになら言ってもいいだろう。そう思い、ヒナタは柔らかく笑う。
「あのね、実は私、」

「おーいヒナター!」

 遮るように掛けられた声に顔を向けると、前方からまさに今思い描いていた人物が駆け寄って来るところだった。
「キバじゃない。どうしたの?」
「あれ、サクラもいたのか」
「いたわよ失礼ね」
 軽口を叩き合う二人にふふっと笑ってから、ヒナタは「サクラちゃん、」と声を掛け視線をもらう。
「あのね、私、キバ君と付き合ってるの」
「…………えっ!!?」
「だからね、私も今幸せだから、大丈夫」
 全く予想していなかったのだろう、言葉を失っていたサクラは、だが三秒後には同じく言葉を失っていたキバ(こちらは赤面のオプション付きだ)の胸倉を掴んでいた。ヒナタは反射的にサクラを止めようと手を浮かせる。
「ぐっ!?」
「キバ!! 絶対ヒナタを幸せにしなさいよ! じゃないと許さないから!」
「んなの言われるまでもっ……ちょ、お前チャクラ集めてるだろ腕に止めろ苦しッ」
 ……サクラの言葉に、キバの返事に、嬉しさでどうにかなりそうなくらい感動してしまったヒナタは、所在ない手を宙に浮かせたまま顔を真っ赤にして固まった。

 明日から長期任務のヒナタを見かけ、夕食に誘おうとしただけのキバが盛大に咳込みサクラから解放されるのは、約一分後のことであった。

・END・


キバ毎回こんな扱いでごめんね楽しかったです。
珍しくお姉さんっぽいヒナタ書けたから満足!
ナルト誕生日おめでとう!(祝えてないのは分かってるから言わないで)
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