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漫画やアニメが好きです。主にNARUTOを語っています。たまに二次創作もしてます。初めてきた方は「はじめに」を読んで下さい。 ※現在ほぼ更新停止状態ですが管理人は元気です。
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2016/02/14 (Sun)
※「途切れた想いと続く恋」シリーズ 
 一応これらの続きですが正直読まれる必要は全くないです。
 同じ設定ってだけなので。注意事項のみ必読お願いします。

注意事項
原作最終話・ザラスト共に完全無視
・ナルサク結婚してる
・キバヒナ付き合ってる
・サクラとヒナタしか出てこない。敏感な人には百合っぽくも見えるかも。
・アニナルがおまけでバレンタインネタやってたから
 NARUTO界にバレンタインは存在することにします
・(相変わらずサスケの生死すら不明)

よろしければどうぞ。

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 料理とお菓子作りはまた違うと思うのだ。薄力粉をふるいながらヒナタはぼうっと考えた。料理は、アカデミーで言うなら体術の授業だ。毎日必要不可欠。一日も欠かさず、しかもバランスを考えて続けていかなければ、生き残ることすら難しい。対してお菓子作りは生け花なんかの授業だ。出来るのなら出来るに越したことは無い。だがこの歳になるまで忍稼業で生け花の授業を生かせる任務に就いたことはなかった。そもそも白眼を持つ自分にわざわざスパイの任など回って来ないということは端から承知していたが。女性としての教養なんだからと言われたこともあるが、わずかしか違わないはずの妹は「その考え自体が古い」と一笑に付していた。
「なぁに考えてるのー? ヒナタ」
 横から声が掛かり、ヒナタはハッとする。
「サクラちゃん」
「キバのことでも考えてた?」
「えっ……ええっと、……違うような、少し合ってるような……」
「あははっ、何それ!」
 笑いながらボウルの中身を混ぜるサクラに、ヒナタも笑った。サクラが居るのは当然だ。ここはサクラとナルトの家なのだ。バレンタイン当日。偶然にも休みをもらったサクラとヒナタは、忙しく仕事をしている愛する人の為にと、共同でブラウニーを作っていた。
「あっ、もしかして台所狭いの気になってた!?」
「へっ!? 全然気にしてないし、そもそもそんなに狭くないよ!?」
 思わぬ言葉に慌てて首を振ったヒナタを、サクラはじとりと見る。
「ええー、でもヒナタの家ってアレでしょ? 絶対豪華な台所じゃない」
「私はこの家の台所の方が良いなぁ……ううん、台所だけじゃなくて」
 こういう家に、住みたい。口に出さなかった言葉は、しかし、サクラには伝わったようだ。ふと真面目な顔になったサクラが目をボウルに落としたまま聞いた。
「……それは、家って言うより、生まれ?」
 あまりに的確な問いに、ヒナタはわずかに苦笑する。本当に敵わないなぁ。
「……うん、そうだね。……ずっと、憧れてたんだと思う。一般家庭って、どんなところだろう。畳よりも板が多くて、障子じゃなくてドアがあって。そんな家に生まれてたら、どんなだっただろうって。小さい頃は、考えてた」
 何も本当に忍に関係のない一般家庭じゃなくていい。日向一族や猿飛一族といった名門を除けば、たとえばキバの家であっても十分一般家庭に見えた。「一族」ではなく「家族」の家。閉鎖された空間。どれだけ憧れたことか。
「……私も、憧れてたわ」
 サクラが小さく呟いた。ともすればお菓子作りの音に消されてしまいそうなほど。
「忍の家系に生まれてたら、もっとしっかりした風になってたんじゃないかとか。いのに守ってもらわなくてもすんでたんじゃないかとか。それこそ、ヒナタみたいな名門に生まれていたら。少しの忍の才能くらいは生まれつき備わってくれたんじゃないかとか」
 そこまで言って、サクラは笑った。
「昔は、ね!」
 ヒナタも釣られて笑う。
「ふふ、うん、昔は。無い物強請りでね」
「お互い幼かったわね」
「視野も狭かったね」
 顔を見合わせて、もう一度笑う。そう、知らなかった。一般家庭の出自であるのに、医療忍者としても戦闘員としても火影と並んでも見劣りのしないほどに成長したサクラ。名門の嫡子であるのに落ちこぼれで、しかし誰よりも優しく芯の強かったヒナタ。知らなかったのだ、憧れの立場を持つ人が、どんな生き方をしているのか。たとえお互い生まれが逆だったとしても、決して彼女のようには生きられないということ。ふわりと甘い香りのするキッチンで、楽しく笑い合いながらブラウニーを作る日が来るということ。
「はい、終わったよサクラちゃん」
「よし、それじゃあ混ぜるわよ!」
 混ぜて、型に流して、オーブンで焼いて。チョコレートのにおいが充満するキッチンで、サクラとヒナタは昔話やら近況報告やら会話が絶えなかった。

「それで結局、何考えてたの?」
 焼き上がったブラウニーを冷ましながら、軽いティータイム。結婚式で貰ったんだけどこんなオシャレな物ナルトのヤツは使わないのよね、とサクラが出して来てくれたコーヒーカップは、確かにナルトには似合いそうもなかったが女子会にはもってこいであった。
「えっと、無い物強請りの前の話?」
「そうそう!」
「本当にたいしたことじゃないよ? 料理とお菓子作りって違うよなぁって、それだけ」
 一瞬きょとんとしたサクラは、次には楽しそうにヒナタに顔を寄せた。
「ねぇヒナタ、恋って、料理とお菓子作り、どっちに似てると思う?」
「え?」
 ヒナタは瞬いた。普通なら、お菓子作りだろうと思う。何となく甘いイメージだ。だがヒナタが先程考えていたことに重ねるのなら。料理は必要不可欠。お菓子作りは出来ないのなら出来なくて良い。果たしてどちらに近いのか。
「…………片思いはお菓子作りで、両想いになっちゃったら料理、かなぁ」
 まだナルトを好きだった頃の自分。今、キバと恋人同士である自分。似て非なる物。言いながら自分でもストンとした回答に、サクラは笑った。
「あははっ、私も同意見!」
 ハッとした。そうだ、サクラも同じなのだ。サスケを追いかけていた頃と、ナルトを支える今。生まれも育ちもこんなに正反対なのに、自分はサクラになれるはずもないのに、こと恋に関しては、なんて似ているのだろう。嬉しくて、嬉し過ぎて笑いが込み上げてくるのはどうしたことか。
「ねぇサクラちゃん、私、サクラちゃんと友達になれてよかった」
「何よいきなり! 私だってヒナタとこんなに仲良くなれて幸せよ!」
「サクラちゃん、大好き」
「ちょっとお、キバに嫉妬されちゃうわよ! 私こそヒナタが大好きなんだから!」
「ふふっ、嬉しい。私もナルト君に嫉妬されちゃうね」
 甘い香りが漂う中。きっと友達の存在は、友と過ごす時間は料理なのだと。
 その日の夜にブラウニーを受け取った男二人は、知る由もない話。

・終わり・

サクラとヒナタをひたすら仲良くさせたかった。
多分いのは任務が入ってしまってたんだよ。
それで毎年いのと作ってたサクラはヒナタを誘ったんだ。今考えた。
(日本の)バレンタインデーの主役は恋する女の子であり、
大切な友達の居る女の子だと思う、という偏見の元に書きました。
まぁ私は百円もしないエクレアを買って食べましたけどね! ええ、一人で!
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* ILLUSTRATION BY nyao *