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漫画やアニメが好きです。主にNARUTOを語っています。たまに二次創作もしてます。初めてきた方は「はじめに」を読んで下さい。 ※現在ほぼ更新停止状態ですが管理人は元気です。
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2015/07/03 (Fri)
登場人物→飯ビー(話題の中心はピッコロさん)
注意事項→悟飯の口調敬語にしようか迷ったけどやめた

私の飯ビー考察が浅かったので最近のピッコロさん関連2作は
飯ビーじゃなくて悟飯+ビーテルさんって感じだったと思うんですが、
DB超の予告見てアニメが始まる前に私なりの飯ビー+ピッコロさんの関係を
早急にまとめたいという欲求に駆られ素敵サイト様巡りをすること3日!←
多大な影響を受けたようなあくまでピッコロさん至上主義脳は変わらないような
そんな飯ビー+ピッコロさんの自分内設定が完成しました。
今回は飯ビー表記しても許されるくらい飯ビーだと思ってる・・・!

それでは、よろしければ続きからどうぞ! 2話完結です明日更新します!

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「悟飯くん、ピッコロさんはもう招待したの?」
 引っ越したばかり。まだ生活感の薄い、しかし世間的に世界最強の男が世話をしてくれただけあって、なかなかに豪華な一軒家。荷物整理の手を休めたビーデルは、同じく荷物整理をしていた、あと数日で夫となる男に声を掛けた。
 日の光は柔らかく、風は優しい。鳥のさえずりも聞こえる。幸せな二人に、これ以上ないほどお似合いな日和である。
「ピッコロさん? ……うーん、それが……まだ、迷ってて……」
「……えっ?」
 そんな気持ちのいい空気の中、肯定の返事しか想定していなかったビーデルは一瞬言葉に詰まった。何とか声を出したはいいが目をぱちくりと一度瞬いたきり動けなくなったビーデルに、固まらせてしまった本人、孫悟飯は慌てて説明を付け足す。
「あ、えっとね、つまり、ピッコロさん、来ないだろうなと思って」
「……来ないと思ったから、最初から招待しないの?」
 ビーデルからすれば、悟飯の言葉は何の説明にもなっていなかった。この男は、人の気持ちを優先するようでいて、親しい者には案外我を通したがる面がある。そしてその性質は、尊敬してやまない師に対して特に顕著なのである。基本的に孤独を好む師を神殿から連れ出して、パーティやらピクニックやらに参加させていたのは一度や二度ではない。その男が。

「だって、結婚式でしょ?」

 ビーデルが何を考えていたか分かったのか分かっていないのか。悟飯はさも当然のように言葉を返した。そう、確かに、今度あるのは二人の結婚式なのだ。戦いでの関係者には直接。学校での知り合いには手紙ですでに日時を知らせている。孫家やカプセルコーポレーションには二人で一緒に行ったが、神殿までは行っていない。悟飯が一人で行くものとばかり思っていた。だが悟飯は知らせていないらしい。結婚式だから、来ないだろうと。ビーデルには意味が分からない。パーティやピクニックは良くて、結婚式はダメなのか。両者の違いは何だと言うのか。
「……知らない人がいるから?」
 考えた末に思いついた違いは、だが、ビーデル自身が自分の中で否定した。招待した級友はイレーザやシャプナーなど、天下一武道会で遠目からでもピッコロの姿を見たことがある者だけだ。仮に初対面であったとして、結婚式の場でそれが不都合になるのか。
「うーん、そうじゃなくてね、……帽子、被れないから」
「帽子?」
 自分の発言が違うのは分かっていたものの、あまりに予想外な悟飯の答えに、ビーデルは調子の外れた声が出た。確かにピッコロはいつも頭にターバンを巻いている。だが修行をしているときなど、マントと一緒にターバンを脱いでいるピッコロを見るのは珍しくない。
「結婚式で帽子はマナー違反だろ?」
「そりゃあ……でも別に、ターバン無くてもみんなそんなに気にしないわよ」
 ピッコロは異星人だ。頭には地球人に無い触角がある。だが結婚式には、父であるミスターサタンと共にブウも来るはずだ。ピッコロだけが浮くとは思えない。肌の色だって、ちょっと体調が悪いと言っておけば通るはずだ。実際ビーデルも悟飯にそう言われて丸めこまれた過去がある。
「うーん……ビーデルさん達の年だと、大丈夫なんだけどね」
「何よ、悟飯くんだって同じ年でしょ?」
「うん、だから、ボク達の年だと、大丈夫なんだ」
「何なのよ一体」
「お父さんくらいの年になると、ダメだよ」
「だから、何が?」
 痺れを切らし多少不機嫌な口調になったビーデルに、悟飯は困ったように言った。
「ビーデルさんだって、『ピッコロ記念日』知ってるでしょ?」

 ピッコロ記念日。ピッコロ大魔王が強制的に国王となり、世界中が恐怖した日。
 もちろんビーデルも知っている。まだ生まれてはいなかったが、その後も語り継がれている、いや、歴史の教科書に載っているレベルの、大きな出来事だったのだ。
 ビーデルは唖然としていた。口は何かの言葉を紡ごうと開閉を繰り返しているが、何の言葉も出てこない。天下一武道会でマジュニアと名乗っていた者がピッコロと呼ばれているのを聞いたときから今まで、「ピッコロ大魔王」と彼を結び付けようなど考えたこともなかった。
「身内だけならいいんだけどさ、多分、極秘でやろうとしても、カメラ来ちゃうでしょ? ビーデルさんの結婚式なんだから。そしたら、その人たちは多分ピッコロ大魔王をテレビで見たことあるだろうから、大騒ぎになって……」
「まっ、待って悟飯くん!」
 話の腰を折られた悟飯はビーデルを見る。彼女の顔には困惑の色が浮かんでいた。それが何を表すのか理解して、悟飯は嬉しそうに笑った。
「ははっ」
「なっ、何で笑うのよ!?」
「……ありがとう、ビーデルさん」
「お礼もおかしいでしょ!?」
「おかしくないよ。……ピッコロさんを、少しも疑わないでくれて、ありがとう」
「…………」
 ビーデルは答えなかった。だが瞳には、ほっとした感情が滲み出ていた。悟飯の感謝を訳せば、つまり、悟飯の師であるピッコロはピッコロ大魔王とイコールではないのだ。だが次なる疑問が生まれる。両者の関係は何なのか。ビーデルがそれを口にする前に、悟飯が続ける。
「ピッコロさんはね、ピッコロ大魔王の分身であって子供なんだ」
「……え?」
「生まれ変わりに近いかな。ピッコロ大魔王の記憶も技も受け継いでる。でもピッコロさんの人格は独立してるよ。今のピッコロさんは、厳しいけどすっごく優しい良い人。世界征服なんて考えてない。むしろ逆だよね。神殿から、地球のことをずっと見守ってくれてるんだから」
「…………」
「帽子が無かったら、ピッコロ大魔王だって思われる。その可能性があるのに、ピッコロさんが来てくれるはずないよなぁ、って思ったんだ」
 笑った悟飯の顔には、寂しさが見えた。ビーデルは思う。きっと悟飯の師も、弟子の晴れ姿を見たいに違いない。神殿からではなく、直接、向かい合って。
「……ねえ、悟飯くん、こういうのはどう?」
 いたずらっぽく笑ったビーデルに、悟飯は身を乗り出した。

 結婚式当日。案の定カメラが数台入ってしまった式場で、二人は指輪の交換、誓いのキス、結婚のサインまでを幸せに満ちながらこなした。そのままゆっくり新郎新婦退場だと誰もが思う中、悟飯はバッとビーデルをお姫様だっこして、バージンロードを光の速さで走り抜けた。
 あまりの素早さに、カメラマンも呆気にとられ、追いかけることが出来ない。唯一、予め娘から事情を聞かされていたサタンが、場を取り繕って「披露宴に先立って、」とスピーチを始めた。よく分からないまま、サタンのスピーチに聞き入る人々。悟飯側の関係者数名だけが、二人の気が猛スピードで神殿に向かっていることに気付き、ニヤニヤと顔を歪めた。


・2へ続く!・
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